アイヌ音楽は、主に北海道に居住するアイヌが生活文化の中で生まれた音楽である。本項では、録音され、CD、カセットテープなどの媒体によって流通しているものを主に取り上げ解説する。
「音楽」という概念は、近代ヨーロッパで構造化された概念であるため、世界には「音楽」に似た概念を持たない文化、持っていてもどこかずれている文化が存在する。また、現代において民族の文化をワールドミュージックとして紹介される際に、「音楽」の概念に含まれるかが微妙なものも一律に音楽として紹介されることがある。アイヌの場合は、「音楽」に含まれうるものとして「ウポポ」があるが、音楽性も持っているが詞内容が重要でどちらかといえば文学の系譜に属しそうな「ユカラ」もワールドミュージックとして紹介されている。
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「ウポポ」とは、歌を意味する。穀物を臼に入れて数人で杵搗きし、製粉、精白する際に唄われるイウタウポポ(杵歌)、舟漕ぎ歌のような労働歌もあれば、踊りながら歌う「リムセウポポ」、数人でシントコ(和人との交易で入手した漆塗りの桶)の蓋を囲み、手で叩いて拍子をとりつつ唄う輪唱「ロック・ウポポ」などがある。いずれにしろ即興性が高いのが特徴である。
昔、トンコリや太鼓がなかった地域では、必ず人が合いの手や手拍子などを返していたので「ウコウクウポポ」(互いに取る歌)とも言われる。現在ではほとんどの地域にトンコリや太鼓が普及したのでそれらが人間の代わりをすることがある。